「伝わらない」が経営コストを生む構造
現場任せが招くリスクの連鎖
「通訳者を配置した」「掲示物を多言語化した」―すでに取り組んでいるのに、品質不良やヒヤリハット、外国人労働者とのすれ違いが減らない。
そんな悩みを感じていませんか?
製造現場の多国籍化が進む中で、これまでの延長線上にあるような現場の工夫だけでは吸収しきれない、伝達や共有にまつわる問題が増えています。
「外国人労働者にもちゃんと伝わるよう工夫して」とさらなる改善を現場に要求することで、その問題は解決するのでしょうか?製造部長、工場長といった経営層が考えるべきことはないのでしょうか?
「伝わらない」は現場だけの問題ではない
製造業における外国人労働者数は、2024年時点で10年前の約2倍に増加しています。*
それまでは現場に占める外国人労働者の割合が少なかったため、班長や現場リーダーの個別対応で乗り切れる場面も多くありました。しかし外国人比率が高まっていくにつれて、再現性のない、その場その場での個別対応でコミュニケーション課題に向き合うことが限界になってきています。
外国人労働者と働いていく中で、次のような問題に直面した経験はありませんか?
・作業手順や注意事項を言葉を尽くして説明しても、十分に伝わった手応えがない
・教育に時間がかかることで、管理者の負荷が増える
・外国人労働者からの報告漏れがたびたびある
こうした問題を単なるコミュニケーション不足と捉えるのは危険です。「ちゃんと伝わっていない」という一見小さなことでも、それが積み重なっていくことで、品質不良・計画遅延・労働災害といった重大事案や、外国人労働者の定着困難・人材流出へとつながっていくことは十分に考えられることです。
つまり、「伝わらない」状態そのものが、経営コストになっていくのです。
*出典:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(令和6年10月末時点)
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なぜ現場の工夫だけでは解決しきれないのか
多くの現場ではまず通訳者を配置する対応を進めますが、通訳者だけではカバーしきれない場面も少なくありません。
例えば、
・専門用語や作業文脈が複雑で、正確に伝えるのが難しい
・通訳者がいない時間帯は対応ができない
・通訳者一人に情報が集中し、属人化する
といった課題があります。
また、掲示物の多言語化やピクトグラム化も多くの現場ですでに試されています。これらによって標準的な手順は問題なく伝えられますが、イレギュラー対応には使えないという弱点があります。
やさしい日本語の利用も推奨されますが、細かいニュアンスや例外的な事項などを伝えにくいという欠点があります。日本人労働者側がやさしい日本語で意識的に話す必要もあるため、「時間的な余裕がなく、なかなか実践できなかった」という声も聞かれました。
これらの結果として、外国人労働者が「だいたいわかった状態」で作業を進める、ということが多くなってしまうのです。
こうした状況を改善しようと、班長やリーダーが個人の工夫で対応を補うこともあるかと思います。自分のスマートフォンに入れている翻訳アプリを個別に使う、身振り手振りで情報を補足するといった対応は、短期的には効果があります。
ただ、そうした工夫によってその場その場を乗り切ることは、対応の属人化や人による伝達品質のムラに繋がってしまいます。
このように、現場では「なんとかしよう」と様々な工夫が試みられていますが、対応が追いつかない状態が続いてしまうことは残念ながら多くあるのです。
個別対応ではなく「仕組み」で対応しよう
それでは、どうすればいいのでしょうか?
・現場の対応が足りないのではないか?
・個々の対策の質が低いのではないか?
管理者である製造部長や工場長の立場ではそう考えるかもしれませんが、重要なのは、「誰が対応しても一定の品質で伝えられる仕組みをつくること」です。
加えて、製造部長や工場長などの経営側だからこそ取り組める観点を仕組みに加えることで、現場任せにしないことも大切です。
では具体的にどう仕組みを設計するか、経営としてどう動くか?その全体像についてはホワイトペーパー「なぜ現場の問題が経営リスクになるのか〜製造部長が知るべき伝達不全の構造〜」で詳しく解説しています。より実践的な内容はぜひそちらをご覧ください。