定着・離職防止

外国人材がすぐ辞める本当の理由

「待遇」より先にある「わからない」という壁


お役立記事#5_外国人材がすぐ辞める本当の理由_お役立記事トップ画像(1200×630)悪くない待遇を準備しているつもりなのに、期待したほどには外国人材が定着しない——そんなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?

外国人材の離職の原因は、待遇への不満よりも先に、「仕事がわからないまま働き続けることへの不満」の蓄積にあるということが、データから見えてきています。

抜け出せない採用コストのループ

ある調査結果では、入社後1年以内に離職する外国人材の割合は28.0%(*1)で、日本人一般労働者の離職率11.5%(*2) と比較すると約2.5倍の水準になっています。

そのため、外国人材を採用している企業では、以下のような経験をした人は少なからずいることと思います。
・現場の人手不足を補うため外国人材を採用しているが、お金も手間もかかっている。
・外国人材の加入により、一時的には現場の穴を埋めることができている。
・しかし数カ月経つと、どこに不満があるのかわからないまま、離職されてしまう。
・空いた穴を埋めるために、残ったメンバーに負荷がかかる。
・採用コストをかけてまた急いで採用し、ゼロから育成する。

こうした悪循環が繰り返されていると、「なんとか離職率を下げたい、定着させたい」「そのためには待遇の改善が必要なのでは?」と考える企業も多いかと思います。

しかし、給与や福利厚生の改善は、離職率を下げるための効果的な対策ではないのです。

(*1)出展:日本で働く外国籍人材の離職とモチベーションダウンに関する調査——株式会社エイムソウル

(*2)出展:令和6年 雇用動向調査結果の概要「1. 入職と離職の推移」——厚生労働省 

 


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離職の背景にある構造

外国人材の育成や定着支援に一生懸命取り組んでいるのに、効果が出ていないように感じる。やっていることが間違っているのか、もっとたくさんの施策を走らせたほうがいいのか…。

そう考えるかもしれませんが、外国人材を「仕事がわからないまま働かせている」という構造そのものが離職の原因になっているかもしれない、という視点をまず持つことが大切です。

技能実習生が企業に寄せる不満の上位をみてみると、1位は「業務で使う日本語の難しさ」、2位は「コミュニケーションの困難さ」、3位は「暗黙の了解が理解しづらいこと」と、言語やコミュニケーションに関するものばかりが上位に挙がっています(*3) 。

業務上の指示が理解できず「とりあえず」で進めた結果、ミスをしてしまい注意を受ける→そして萎縮してますます聞けなくなる→孤立感を高めて離職する、という悲しいサイクルが、離職の背景にはあるということです。

さらに、外国人材を採用している企業側へのアンケートでも、39.6%が「言語・コミュニケーション」を課題として挙げています。外国人材側も企業側も、同じ壁にぶつかっているのです。

外国人材が「わからない」を抱えたまま働き続け、企業側は本当に理解できているかどうかを踏み込んで確認できていない。この構造的な課題に気付かない限り、外国人材の離職リスクは静かに蓄積され続けてしまいます。

(*3)出展:外国人雇用に関する企業の意識・実態調査 結果報告書——パーソナル総合研究所 

「わかる・認められる」実感が定着の鍵になる

技能実習生・特定技能外国人を対象にした調査結果によると、仕事の満足度と最も相関が高いのは「仕事の内容(おもしろさ)」であることが示されています(*4)

また、上司からの指導を効果的と実感できている場合には、仕事の満足度が高くなる傾向が見られ、指導が形式的で一方通行な職場では、満足度が低くなることも示されました。

毎日の業務で「仕事がわかる」「成長を感じられている」「上司に認められている」といった実感が不足していると、仕事に対する満足感は上がりにくくなり、それが離職につながっていく可能性がある、ということです。

これは技能実習生や特定技能外国人であっても、日本人労働者と同じように「仕事で達成感を得たい」という気持ちを持っている、ということの表れです。その気持ちに応えられる環境をどう整えるかが、定着への近道になるはずです。

(*4)出展:橋本由紀「アンケート調査結果からみる高い満足感につながる仕事と人間関係」『かけはし』Vol.158, p.8.——公益財団法人国際人材協力機構(JITCO) 

まとめ

外国人材の早期離職の背景には、言語の壁、コミュニケーションの難しさによる「仕事がわからないまま進む不安」の蓄積があります。

定着率の向上には、外国人材の「わからないまま働いている」状況の解消と、指示内容を自分のこととして理解できる状態が整っている職場環境を整備することが大切です。

「わからない」を解消するための具体的なアクションと、「わかる職場」をつくりあげた実践例は、ホワイトペーパーで詳しく解説しています。


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 ※本記事の表紙イラストは生成AIにより作成したものを使用しています。 

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